--------- | 上田さんがアワガミに入ったきっかけはなんでしたか? |
上田さん | 昔富士製紙に隣接してあった鉄工所の方と従姉妹で、その人に紹介してもらったのがきっかけでした。 今からもう25〜26年前になるなぁ。 入ってすぐは「水より」の仕事を教えてもらい、数ヶ月してからは機械場に入って 午前中は和紙会館の会長でもあるおじいさんに紙漉きを習うたんよ。 機械場は2号機のところでおりました。 その後1年半か2年くらい乾燥場でもおったけど、 その後和紙会館が出来てからはずっと手漉きの現場に携わっています。 |
--------- | 和紙を作っていて楽しいと思うのはどんな時ですか? |
上田さん | いろんなことさせてもらって最初は大変だったけど、やっぱり作りたいものが出来たときはうれしいなぁ。 グレゴリーコルベールの展示の時は東京のお台場まで見に行かせてもろうて、 実際会場で 見たときは「こんなに使われたんやなあ!」と思って感動したよ。 作品見る時も紙にゴミが入ってないだろうか、とかそういう所ばっかり見てしまうけどな。 でもああいうの実際に見たらごっつい感動するわ。
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--------- | 反対に、大変だと思うのはどんなことですか? |
上田さん | 手漉きやけん‘商品の規格にきちんと合わせる’ということが結構難しいんよな。 グレゴリーの紙を漉くのも最初はすごい大変で、漉けたと思って板に貼って乾燥しても 紙自体が大きいけん重みで次の日来たら、板から剥がれて落ちとるんよ。 そしたらもうその紙は使えない・・・・。 今はあの紙もスッと作れるようになったけどな。 会館が出来てから大きい紙を漉くようになったけど、 それまではそんな大きな紙を漉くことをしてなかったわけやから、 誰もノウハウが分からんわけよ。 なので、最初は毎日が試行錯誤だったわ。 「 納期に間に合わん!」というので夜中に工場に来たこともあるしなあ。 |
--------- | 今迄で一番思い出深い事を教えてください。 |
上田さん | 入社した日が1月5日で、その日丁度新年会だったんよ。 その時は富士製紙も20〜30人くらいしか従業員がおらんかったので、 新年会も理事長の母屋でしてて入っていきなり御馳走よばれたので、よう覚えています。 理事長はじめみなさんに良くしていただいていることがうれしく思います。 あとは、やはりグレゴリーの展示会で実際にアーティストが作品として |
--------- | どのように和紙を使ってもらいたいですか? |
上田さん | 自分が作ったものがどんな風に作った和紙が使われとるか、あまり分からんけんなあ。 でも、アートとかインテリアとか、もっともっと日常のいろんなシーンで 手漉きの和紙を身近に使っていただけたらうれしいと思います。 |
上田さんの手漉きの技術は「伝統的工芸品産業功労者」など、数多く賞を受賞しています。 ・(財)伝統的工芸品産業振興協会 伝統工芸士認定(平成6年度) ・伝統的工芸品産業 功労者褒章(平成10年度) ・四国経済産業局 四国経済産業局長賞(平成17年度) |
グレゴリーコルベールの「ashes and snow」展で上田さんたち手漉き技術者たちが漉き上げたアワガミファクトリーの手和紙を使っていただきました。 手漉きの現場スタッフで展覧会を見に行き、感銘を受けました。 http://awagami.jugem.jp/?eid=72 |