--------- | 出葉さんはアワガミでお仕事をはじめて何年になりますか? |
出葉さん | 昭和53年から今年で30年目になるなあ。 今据え置いてある和紙抄紙機械を導入した年に入ったので、1号機と同級生なんよ。 いちばん最初は手抄きの原料の準備をすることから仕事を覚えたな。 それから手抄きの仕事を させてもらいました。 |
--------- | 和紙を作っていて楽しいと思うのはどんな時ですか? |
出葉さん | 自分なりに考えてお客さんの要望に答えられたときや紙がうまいこと抄けたときかなあ。 難しい紙がすっぱり抄けたらうれしいわな。 |
--------- | 反対に、大変だと思うのはどんなことですか? |
出葉さん | アワガミでは製造している紙の種類が多いので、それを抄き分けることが、 やはり何年やっていても難しいと思うなあ。 後は機械の問題。いろいろ試行錯誤して調整してある機械で説明書とかいうもんはないけん、 自分で考えて機械を調節せなあかんのよ。 それでも、考えもって作ったものがよろこんでもらえたときは、やっぱりうれしいわなぁ。 |
--------- | 今迄で一番思い出深い事を教えてください。 |
出葉さん | 私が入社した時にアワガミでは機械抄紙が始まったので、 最初は手抄きの方法を応用して機械を調整していったことが試行錯誤の連続で大変やった。 何もかもが手探りで新しいものを作っていくのは大変だったけど、その分印象に残ってるなぁ。 |
--------- | どのように和紙を使ってもらいたいですか? |
出葉さん | 和紙は洋紙とは違ってやわらかさがあるけんな。 その違いを感じて大事に使ってくれたらええなと思います。 |
平成20年3月、出葉さんは伝統的工芸品産業功労者として表彰されました。この賞は(財)伝統的工芸品産業振興協会が実施しており、伝統的技術の維持向上、後継者の育成等広く産地振興に貢献した方に与えられるものです。 |