和紙づくりの現場ではさまさまな道具や機械が使われています。
ここでは、それらをご紹介いたします。
手漉き和紙は簀桁(すけた)という用具を使ってつくられます。簀桁は竹ひご、萱ひごを使って編まれた簀に桁を取り付けたものです。簀を編むには強じんな生糸が使われ、一定間隔で糸の締まり具合を均一にしなければなりません。 また、漉く紙の種類によって竹ひごの太さは異なります。 一枚の簀を編むのに一週間ほどかかります。 桁は木目のよく通ったひのき材を使い狂いが生じないように、また原料をくみ込んだときに水平になるように、わずかに山形に湾曲させてつくられています。 上桁と下桁で簀を鋏み込み使用します。 |
漉き舟(すきふね)に原料繊維と水を入れ和紙を漉いていきます。漉き舟は松、杉材などで作られますが、耐久性などを考えステンレスを内張りしたりします。 馬鍬(うまぐわ)は紙料を混ぜるための道具で、木を櫛状にしたものです。これで繊維をほぐすように攪拌します。 漉き舟の両わきにある押取りの上に簀桁をおいて漉き上がった和紙を紙床(しと)に移します。 漉き終わって、水を含んだ柔らかい紙を積み重ねていく作業を「床(とこ)に積む」といいます。 空気を入れないように気をつけながら、漉き簀(すきす)を床(とこ)におろし、そっと簀をあげて紙を重ねる作業を繰り返します。 |
水洗された原料を煮るための釜です。 釜にアルカリ薬品が添加された水を入れ原料を約2時間煮熟します。 このため薬品に強い鋳鉄製の釜が用いられます。 |
ちり取りの終わった原料は、まだ堅く網状になっているため打ち棒(かし・ケヤキ)で叩き解かれやすくしますが、手作業でするには非常に厳しい作業工程です。 しかし、現在では打ち棒でたたく原理と同じで、モーターの付いた機械式の杵を高い位置から振り下ろし、その重量で原料を打解します。 |
よく叩いた原料を、「ビーター」と呼ばれる機械ににかけて水といっしょに撹拌し、繊維が一本一本バラバラになるようにほぐします。 少量の原料を1〜2%の低濃度にして処理します。 ホレンダー・ビーターみつまた、雁皮などは、「ホレンダー・ビーター」を使い、 なぎなた・ビーター楮のような極めて細長い繊維を含み且つ、節のある原料は、 |
漉いた湿紙を少し大きめの板で挟み、徐々に出来るだけ強く水を搾り出すための機械です。 昔はジャッキを使って圧搾していましたが、今はモーターと圧力センサーを使って圧搾しています。 |
ステンレスの板を三角柱に張り合わせたものです。 中に蒸気を送り込んで鉄板を熱し、三面を回転させながら順番に紙を貼り乾燥させます。 |
圧縮された紙を一枚一枚丁寧にはがし、乾燥機などに貼り付ける時、乾燥機と紙の間に空気が入らないように、また、皺にならないように馬刷毛で撫でながら貼り付けます。 |